あらためて調べてみると、私が「毎日の小念頭」を開始したのが2020年6月24日のことでした。以後、毎日、ワクチンの副作用に苦しんだりしながらも1日も休まず練習を続けてきて、ついに2年が経過しました。
それでも1年前と今で、小念頭そのものを行う感覚について何か大きく変わったような感じはしません。
それ以外で大きく変わったのは突きの力です。私の場合は実際に当てる練習をする際は、パンチングミットではなくキックミットを使います。ミットを持ってくれるのが最近は次男(成人)なので、彼が武道家、格闘家ではないことを考慮し分厚いミドルキック〜ローキック向けのものを主に使います。
これを打つときの感覚がかなり変わった感じがしますね。元々体当たりのような感じはあり、それがうまく出来ていると自覚していましたが、この2年で、体当たり以前に腕の力がより抜けて拳がミットに吸い込まれるような感じになり、インパクトの瞬間に地面の力が股関節、背中全体、肘の力がダイレクトに伝わっているような感じがあります。同じ努力感であれば明らかに威力が増しました。
もちろん、小念頭だけでなく、毎回行っている300本以上の直拳の積みかさねもあるでしょう。単純計算で、2年間で219,000発も打ち込んでいるはずですから(500本以上突く日もありますし、小念頭の中だけで直拳の練習をするわけではないですから、300,000発以上は練習していると思いますね)。
詠春拳を習い始めて間もなく、「詠春拳に勁道ってありますか?」と質問したことがあります。先生と一番弟子のおふたりに別々に聞いて確認したのですが、一様に
「詠春拳に勁道があるとすれば全身です」
との回答でした。なんかそれが分かってきたような気がします。
ミット練習は空手の順突き、逆突きなどの練習も併せて行っています。以前、順腰、逆腰の記事で詠春拳は当たる瞬間に「順」の方向に腰が入るということを書きました(もちろん、ブルース・リーの截拳道やボクシングなどのように回転と同時に体が開いていく、という意味ではありません。ほんのわずかなら、それに近い要素もあるかもしれませんけど)。それに対し、空手の場合は初動は順側に腰が入るものの、当たる瞬間には腰が逆側に回転して拳が走ってミットに食い込む印象でした。しかし、自分の動きを細かく観察していると逆腰で食い込んだ後に詠春拳同様に、順側に腰が入り、詠春拳と同じような力の伝え方になっていました。これが剛柔流空手道の正しい動きなのかどうかは分かりません。でも、そうじゃないと鍛えた相手の筋肉をかき分けて内臓にダメージを与える動きにつながっていかない可能性があります。
詠春拳の「相手に効かせる」ための考え・工夫については、パブリックな場でどこまで書いていいのか、という点もありますし、私の中で整理がつくようでしたら別途、記事にまとめたいと思います。
最近の私の感触として、剛柔流空手の正拳と詠春拳の直拳については、当たった瞬間の力の加え方は似ていて、事前に腰を切るか、切らないかの違いくらいになっています(もちろん、縦拳、横拳の違いはありますが、私が習った空手の横拳はひねることが目的ではなく、自然にひねられていく、というような感じだったので、いわゆる「横拳」とはイメージが少し違うかもしれません)。もちろん、私の場合は普段、詠春拳を中心に練習しているので、過去に練習していた剛柔流空手道の突きのほうが詠春拳に「寄せられてきた」可能性も高いですが。
また、詠春拳は事前に腰を切ることはないとはいえ、腰を切るかわりに「拳を鉄球、腕を鎖のように使う」イメージで拳を弾き飛ばすような操作もするので、当たる瞬間までの操作も似てなくはない気がします。
さすがに、同じ程度の「努力感」であるならば、事前に少し腰を切る空手式で、前屈立ちを使って突いた方が、今でも詠春拳の直拳よりも強いようであり、受けている側もそのように言います。これは「一撃」を重視する空手と「数回の攻撃でダメージを与えられればいい」詠春拳との考え方の違いだと思います。実際、詠春拳の直拳は空手の正拳に近しい強さは持っており、しかも、より速く何発も連打出来る利点はありますね。
以上、かなり力をセーブしての練習なので、もう少しハードに打ち込むとまた感触が変わる可能性はあります(昔のように力んじゃう可能性も…)。ただ、今はそれを練習する環境が整っていませんし、もう自分の「武力」を人と競ったり自慢するような年でもないので(本当に戦えば若い人には勝てません)、ぼちぼち、やっていきます。
次は、2年半連続を目指して小念頭の練習を続けます。4回目のワクチンの案内もきちゃいましたが、とにかく体調を崩さないように気を付けないと!