ふと思った疑問

ストレートリード

久々に書きたいことがあって開いたら、過去に書きかけた記事があったので先に出しておきます。

ストレートリード」を読む限り、テッド・ウォン先生系の截拳道は中国武術ではなく、フェンシングとボクシングがベースになっている、と書かれている。

個人的な素朴な疑問。武術のベースって、そんな簡単なことなのかと。

フェンシングにしろボクシングにしろ、こういう格闘技は相当しっかり習って修行しないと身につかないもの。師匠について数年修行した詠春拳ならいざ知らず、フェンシングとボクシングについて、ブルース・リーはどの程度師匠に習ったのだろう? 「ストレートリード」では、彼の蔵書のアンダーラインやメモから、フェンシングとボクシングがベースと言っているが…。私には正直信じられない。いくらブルース・リーが天才とは言え。

確かに、お兄さんのピーター・リーさんがフェンシングの香港代表選手だったし、ブルース自身も少年時代、フェンシングのコスチュームに身を包んだ写真を残している。しかし、「ストレートリード」に寄ればこの少年時代の経験は截拳道には全く影響していないという。

ボクシングについては、弟子や友人にアマチュア・ボクシングの経験者がいたとは聞く。リチャード・パスティロ先生、ダニエル・リー先生、ジェームズ・デミル先生がそうらしいが、リーがボクシングジムに所属したとは聞かない。

ここで、截拳道のベースが「彼の蔵書のアンダーラインやメモ」によればフェンシングとボクシング、という話に戻る。

フェンシングとボクシングって、本から習得できるの? フィルムを分析したら身につくの? こういったレベルの知識でそれらの格闘技をベースにした、と言えるのか? 考え方を採り入れたとかなら分かるけど…。

世の中の達人の方々を見ると本当にベースとなる武術を先生に付いて深く修行していて、それらにご自身の工夫などを加えられて一流の人になられている。本や限られたフィルムをベースにした技術を核心において名人級になっている人って、いるのかな? これまで主に2つの武術を習いましたけど、そんな形で強くなった先生、先輩を見たことがない。

少なくともブルース・リーは中国武術をかなり深く修行していたと思います。映画やデモンストレーション、スパーリングに見られる彼の動きにはその影響が色濃く見えます。長距離砲については、もちろん、当時の仮想敵とも思われるポイント制空手の影響もあるように見えますね。このあたりのことについては、多分中国武術の素養があって、その上で截拳道の指導をされているレベルの方々ならおそらくは気づいているはず(、と私は感じる)。

私は截拳道については、研究はしましたけど、ダン・イノサント先生のセミナーに一度参加したきりで専門家ではありません。あえて外から見て感じた疑問をまとめてみました。

…なんだかんだいって、「ストレートリード」って好きな本なんですよね。これについては別ブログでもここでも、何度も書いてますもん。なんか電子書籍になっているから、買ってみようかと思う今日この頃。

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