相次ぐ著明な格闘家の訃報

ハグラーVSハーンズ

先日は沢村忠氏に思いを馳せたが、3月には他にも著明な格闘家、武道家がこの世を去っている。

本当に衝撃的だったのが、古賀稔彦さんの訃報だ。

私が新宿のスポーツクラブに勤めていたときに一緒に仕事をしていた人が学生時代に柔道をやっていた人で、古賀さんのことも知っているようだった。本当にすごい人だと何度もおっしゃっていたのを覚えている。

実際にその後、体重無差別の全日本柔道選手権で決勝まで進み、重量級の小川直也さんと戦い準優勝されたときには驚いた。格闘技をやっている人にとってはこれがどれだけ大変な偉業であるか分かるはず。

その後、バルセロナオリンピックでは膝を負傷しながら金メダルを獲得されて、その技能と精神力の高さをうかがい知ることができる。

また、後進に対する指導力も素晴らしかった。谷本歩実選手が金メダルを獲得したとき、師匠の古賀さんと抱き合っていた姿は記憶に新しい。

昨日(4/4)の柔道・全日本選抜体重別選手権では、古賀稔彦さんの次男である、古賀玄暉選手が60kg級で優勝された。さぞかし、俊彦さんも喜んでおられることだろう。

3/13にはマーベラス・マービン・ハグラーが亡くなった。1980年代を代表するボクシングミドル級の選手だ。ヘビー級でマイク・タイソンが世界を席巻する少し前のボクシング人気を支える選手の1人だった。

私はハグラーの実直なスタイルが好きだった。接近してよし、離れてよしのオールラウンダー。右利きのサウスポー。一見して地味に見えるけれども、ものすごく特色があるボクサーだと私は思う。試合をよく見てみると、動きの流れの中で左前のオーソドックスに瞬間的に変わって「普通に」攻撃したりすることも多く、流れるような動きで隙が無い。

特に右利きのサウスポースタイルには興味があった。それまでにも、このスタイルを取る人は何人か知っていたが、多くが突出した人だった。ブルース・リーもそうだったし、お名前は出さないが日本が生んだ80年代を代表する世界チャンピオンもそうだったと聞いている。ベニー・ユキーデというアメリカン・カラテのスターもオーソドックスだが左利きだそうだ。

ハグラーの最後の試合は、同じくボクシング中量級のスター選手だったシュガー・レイ・レナードだった。この試合ではめずらしくハグラーが自分を見失っている感じで、最終的に彼が敗戦したことには非常に衝撃を受けた。実際には有効打を鑑みると極めて微妙な判定で、1人とんでもなく外れた判定をしたジャッジが普通に判定をしていたらどちらが勝ったか分からない試合でもあり、次の試合ではしっかりお返しするに違いない、と私は思ったのだが…。彼は二度とリングに戻らなかった。

詠春拳のスクールに所属していた生徒たちが集まってグローブ練習をしていた時期がある。このグローブが私は苦手で、いつも打たれっぱなしだった。そこで、しばらくハグラーのビデオを見て研究し、いくつかの技がなんとか使えそうになってきたのでそれをグローブでのスパーリングに使ってみたことがあった。その結果、強い相手の顔面をまともに捉えることができた、なんてこともあり、それが自信にもつながった。

いろいろな意味でハグラーには感謝している。

おふたりのご冥福をお祈りいたします。

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