腰痛解消に役立った小念頭
昨日もマウンテンバイクで山トレをしていたら、久々に腰痛が発症してしまったようです。20代の初めにスポーツクラブのショルダープレス・マシンを使った際に痛めてしまった第四腰椎、第五腰椎の中間、左側が久々に痛み出しました。
山ではかなりの不整地を自転車に乗ったまま進むので、もともと体にかかる負担は大きく、それを3日も続けて行っていることが大きな理由ではあると思います。そのほか、最近組み立てたばかりの自転車に乗ったので姿勢が慣れていないこともあるかもしれません。
今回発生した久々の腰痛で思い出したことがあります。
私の人生で、慢性的に長引くひどい腰痛の経験が何度もあります。一番最初に「腰痛」というものを自覚したのが、先に述べたスポーツクラブで痛めたときのことでした。その後詠春拳のスクールで小念頭をやるようになってから、いつの間にか腰痛を感じなくなってしまったのです。
先生の前で小念頭をやっていると、「腰がねじれているね」と何度も指摘されました。生来のクセなのか、トレーニングで痛めた腰痛が影響していたのかはわかりません。そういったことを気を付けているうちに腰痛が消失していったので、先生や先輩に「小念頭を行うことで腰痛が軽減することがあるのか」を聞いてみました。すると、
「小念頭では腹のチカラを抜いて、自然に体を支える練習をするので、最も効率的に筋肉を使う練習になる。腰痛の改善については十分に考えられる」
との回答でした。
その後、20年ほど前にヘビーウェイトでのスクワットのフォームを矯正しようとしてひどい腰痛に襲われ、その影響が何年も続いたことがありました。そこで、小念頭を数ヶ月続けてみたところ、これも見事に解消されたのです。このときなどは、友人から「プログラム化して腰痛改善で儲けようよ」なんて提案もあったくらい(^^;)
今、小念頭の毎日チャレンジを1年半続けていますが、毎日ではなくてもこの5年ほどは高頻度で小念頭を続けてきました。この少し前に、定期的にコルセットに頼る日々が続いていたことがあったので、その解消を期待してのことでした。おかげさまでこの4年ほどはコルセットの登場機会がありません。
この腰痛のおかげで今では、腰痛改善を目的にするのではなく、小念頭そのものの鍛錬が楽しくなってしまって続いているのですけども。
今回の腰痛は、第四腰椎、第五腰椎の間がピンポイントで痛く、圧痛もあります。が、小念頭のために二字紺羊馬の姿勢を取ると全く痛みを感じません。ちょっと姿勢が崩れればズキッとくるのですが(^^;)。
小念頭のアプローチ
小念頭をやるときは、基本的に自然呼吸で、集中が進む呼吸は浅くなっていきます(このあたりは、深く呼吸をせよ、という他の中国武術とは異なるところです)。しかし、今日みたいに腰に不具合があるときは、二字紺羊馬の姿勢を取ったあと、軽く口を開けて「パッ」と息を吐くようにします。このようにすると腹のチカラを抜く感覚、重心がストンと下腹に落ちる感覚が手に取るように分かるからです。
通常、腰痛予防のためには体幹トレーニングを行って、患部の周りの筋肉を強化することが推奨されます。それに対して小念頭のような脱力を重視するエクササイズはまるっきり逆のアプローチに感じられませんか。
個人的な考えですけれども、無駄な力を抜いて、求められる姿勢を取るために必要な最低限の筋肉群を使うクセを付けることで腰痛が改善されているように感じられます。単に無駄な力が抜けて、痛みの原因となる余計な疲労が発生しなくなるだけではなく、今まで使っていた筋肉の代わりに別の筋肉で体を支えるようになることから、新しく開発された筋群がむしろ強化されているのかもしれません。
詠春拳は究極的には相手を倒すための武術です。でも、一般の人に普及していく中ではこういった健康に及ぼす要素もアピールポイントになるかもしれません。実際、健康であるからこそよりハードな練習ができて、武術としての効果を求めることが出来るわけで。ガチな方々から見ると本末転倒な意見かもしれず、その点についてはあらかじめお詫びしておきます。でも、この武術も捉え方によっていろいろな付加価値があることは間違いないと私は思いますね。
もし、詠春拳の付加価値的な要素に興味をお持ちの方は、きちんと教えてくださる先生を探してみてください。空手道場なんかでも、少年部、青年部、壮年部というように目的を分けて指導している先生もいらっしゃいます。詠春拳でもそういうところに力を入れている先生、いらっしゃるんじゃないかな?
少なくともこれまでの経験を振り返ると、私の場合は深刻な腰痛から何度も救われてきました。もちろん、たまたま私だけに有効だったというだけの話かもしれないので、その点はご留意ください。