小念頭を1日も休まず1年半続けてみた

WING TSUN DUMMY TECHNIQUES
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紆余曲折の半年間

過去に書いた「小念頭を1日も休まず1年間続けてみた」チャレンジ、実は現在も続いていて、クリスマスイブの日に1年半に達しました。

前回のチャレンジ振り返りから本日までの間、最初の1年間にはなかった試練がありました。7月頭のCOVID-19ワクチン接種1回目と、8月頭の2回目で起こった副作用によるものです。特に後者では体温が39.2度まで上がり、今までになかったような悪寒や震えを体験したので、さすがに無理かと思いました。それでも発熱を感じた3日間は直拳300本を注視したものの、小念頭自体は2日目までを10分間に短縮し、3日目は30分に戻して実行することができました。

決して無理をする必要はなかったんですが、最近はやらないともう、気持ちが悪くて(笑)。

若い頃は時間がないなど、なんとかかんとか理由を付けてサボることも多かったのですが、1日20分も時間を取れない、というようなことはないことを、この1年半で知りましたね。途中にあったワクチンの副作用の際も、体調のいい瞬間を狙えば10分くらいならなんとかできそうな感じではありましたし。

次は2年間連続に挑みますが、間に3回目のワクチン接種が入ってくる可能性があります。これもよほど体調が悪くない限りは頑張って乗り切ってみようかな、と考えているところです。もちろん、体調が悪すぎる状況で無理に練習を実行すると、技の崩れを招いてしまう可能性があります。私もその点をわきまえた上で努力を続けてみたいと思います。

この半年で感じたこと

これは「じっと立つということの実態」でも書いたことですが、二字紺羊馬を長時間続けることは確実に下半身強化につながるようです。私の場合は明らかに下半身の筋肉が充実し、安定度を増しました。ときどき、数分交替で片足での小念頭をやってみても以前より安定している感じがします。

そのおかげなのか、上半身の力がより抜けて、300本の直拳がより洗練されてきたような気がしますね。

また、何度か書いたように私はマウンテンバイクの趣味を持っており、ここ1年で明らかに下半身の安定度が増しました。山中やコースを走る頻度が多くなっているにもかかわらず、転倒が減っているのも、この毎日続けている小念頭の効果によるものかもしれないと思っています。

いくつか、気づいたことをまとめてみます。

  • 下半身の筋肉が充実し、二字紺羊馬やフットワークが安定した。
  • 上半身の力がより抜けた。
    • よく、首や背中を動かして脊柱(背骨)をボキボキ鳴らす人がいます。私の場合、最近は小念頭の中で攤手や伏手、護手のようなゆっくりした動きの中でちょっと体のバランスが変わるようなときにも脊柱がボキボキなるのです。こんなにヤワでいいのかな?
    • ブルース・リーが言っていた、「腕は鎖で拳は鉄球」という例えが自分の中でより実感され、明確になりました。毎日詠春拳以外に(スポーツ)空手の飛び込み順突き追い突きを練習するんですけれど、これらは詠春拳の動きとは明らかに違うのに、同じように拳が走るようになった実感があります。この技については、高校の現役時代よりずっと良くなっているように感じられます。
  • 右腕の異常な張りが落ち着いた
  • 剛柔流空手の「ガマク」のような筋肉の使い方が自然に発生している
    • これは単に「気づいた」だけかもしれません。足を内側に入れて力を抜いて腰を落とすと、自然に太ももが外旋する方向に「張る」感じになります。私は二字紺羊馬を行うとき、定期的に太ももに前腕や拳を打ち付ける鍛錬もしますが、これをやって具体的イメージに気づいた感じです。
    • ただし、剛柔流空手道で習ったような、「足先を締めて、逆に膝から上を外旋させ、お尻に力を入れて骨盤を立てる」というようなことを意識的に行っているわけではありません。詠春拳ではこのようなことは習っていませんし、私の場合はあくまで自然に発生する反応を利用して姿勢を作っている感じです。
  • 肩甲骨近辺の筋肉が疲れる
    • これは無駄な力が抜けたことによって、負荷がかかる位置が少しずつ変わってきていることによると思います。
    • これについてはもともと理解しているつもりでしたが、練習を重ねるとレベルが変わってきた、という感じですね。
    • 小念頭の攤手、伏手、護手を行っているときも、300本連続で直拳を行うときも同様です。
    • 300本を超えて400本、500本連続して突くと、残念ながら右側については若干、三角筋の一部に疲れを感じることがあります。
  • 発拳時に右の肘から出る音が大きくなってきた
    • 詠春拳を始めて間もなく経つと、主に肘の関節がパキパキ音を立てるようになります。過去に肘を痛めた影響を受けていたと思いますが、私の場合右肘の音はよほど好調なときでないと音を立てにくくなっていました。それが今では、コンスタントに右肘から「パキパキ」というか「グチュグチュ」というような音がするようになっています。当時の先生や先輩が出していた音に似てきたかな?
    • そういえば半年前は左肘から「ガコン」というような音がよくしていましたけど、最近ないな…。
  • 寸勁の打ち方に変化があった
    • 以前はほぼ完全に脱力した瞬間からいきなり力を発揮する方法で打つことが多かったのですが、上の肩甲骨近辺の話ともつながる話で、背中のほうに一時的に溜めた力(特殊な感じの緊張感)を一気に解放するイメージでの打ち方もできるようになってきました。北派なんかだと「蓄勁」というのでしょうか?一口に「蓄勁」と言っても「脱力」から得た瞬間的な弾みによるものや、物理的なストッパー(相手の腕や自分の腕など)を使う物、今私が感じているようなもの、いろいろとあると思いますが。
    • これだとより少ない予備動作で打てるな、と思って。でも、今思えば分からないまま、20代でも、30代でもそういう打ち方が出来ていたことがありましたね。
    • 寸勁の打ち方にもいろいろあり、私自身は必ずしも詠春拳とは関係ない打ち方などをすることもあります。ちょっとうまく説明できないので、いずれ動画にでも打ち方の違いをまとめてみようと思います。

いくつか感じていることを挙げましたが、全体的には別に「新発見」ではなく、もともと感じていたもの、もともとあったものがちょっと洗練されたのか、明瞭になった、という言い方が正しいと思います。

このあたりの変化については、小念頭だけでなく、尋橋の指導を受けた部分の繰り返しや、木人椿の練習も大きく影響しているかもしれません。特に、尋橋の導入部の練習は、下半身と上半身を背中全体を通じてつなげるイメージを得るのに役立ちました。ただ、まだまだ練習不足な部分なので、これからまた少しずつ感覚が変化していく可能性があると思っています。

今後力を入れたいもの

今は木人椿かなあ。木人椿は導入部分しか習っていないので、あとは先生の練習や先輩の練習を見て得た記憶に加え、こんな書籍で記憶を再構成したりもしています。

WING TSUN DUMMY TECHNIQUES

116 Wing Tsun Dummy Techniquesですね。これを手に入れたのがいつごろのことか明確ではありませんが、詠春拳を習っているころにはすでに持っていたような記憶があります。手元の本はすでにボロボロ。

同じ頃、葉問宗師が79歳で亡くなる間際に撮ったという動画をVHSですでに手に入れていたので、これも併せてこっそり練習したりしていました。今はYouTubeでも公開されていますし、自宅で稼働しているVHSデッキがないので、倉庫に眠っていますが。

ただ、この書籍の構成や動画の構成は、私の先生がやっていた小念頭とは、順番や種類がちょっと違ったように記憶しているんですね。先生はもう少したくさんの術式を練習していたような…。

また、この動画については、先生や先輩が「葉問宗師はこの木人椿はかなりいい加減にやっているよ」と念押ししていたのを覚えています。というか、動画を撮ったあと数日とか数週間とかで亡くなったと聞きますから、かなり体調が悪かったのではないですかね。葉問宗師の動きがあぶなかしくて、バランスを崩しそうになったときに、弟子の1人が慌てて駆け寄りそうになる瞬間も映っていますから。

今ではYouTubeで多くの方が木人椿の動画を公開されています。これらのうち、自分が習ったものに近いものを探すと数が限られますが、かなり参考になるものもあります。

残念ながら、木人椿については私は器具を持っていないので、エアでの練習をほぼ毎日行っています。現在、簡易な木人も売られているので、欲しいのですけれども家族が許してくれません。

あとは尋橋の導入部分。自分なりにかなり効果を感じているので、小念頭と合わせて毎日練っていこうと思っています。過去のノートをひもとくと、尋橋や標指の多くの部分の術技について、その方法と適用方法を個別に習っているみたいです。ただし、標指の肘の使い方についてはメモに残っていませんでしたし、直接習った記憶がありません。標指の肘は黐手の中で何度も先生にやられてはいますが、私が使うために習ってはいないので、具体的なタイミングや使い方はよくわかりません。あの技、いつも「あれっ」と思った瞬間に決められてしまっていましたね。

他にもやっている練習はたくさんありますが、強化したいのはこんなところかな? さて、半年後の6月にはまた進歩があるのでしょうか?

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