別ブログではすでに書かせていただきましたが、千葉真一さんの訃報には驚きを隠せませんでした。
千葉さんを最初に認識したのは、キイハンターという大ヒットドラマだったと思います。ただ、このころは私もかなり幼かったので、記憶はほとんどなくて、どんな内容でどんな役柄だったのかよく覚えていません。でも、このドラマは海外でも放送され、かのブルース・リーにも影響を与えたと言われています。
千葉さんが若い頃に極真会館の大山倍達総裁を演じていたことなどを知り、少しだけ興味を持ったりしたものの、当時の香港映画と比べてちょっと泥臭い感じがしてあまり好きになれませんでした。どちらかというと、私は香港映画で活躍されていた倉田保昭さんのほうへの憧れが強かったですね。キイハンターよりあとのバーディー大作戦、Gメン75のほうがより新しい記憶だったこともあると思います。
千葉さんを「すごくカッコイイ」と思ったのはずっとあとの話で、薬師丸ひろ子さん主演の「里見八犬伝」のときでしょうか。千葉さんが興したJAC(Japan Action Club)に所属されていた、アクションスターとしての真田広之さんの人気が全盛の頃です。若くて派手なアクションをこなす真田さんと、渋みのある殺陣を披露する千葉さんのコントラストが素晴らしかったのです。
その千葉さんについては、2013年、新宿武蔵野館で行われた「ブルース・リー・マイブラザー」の上映時のゲストとして来られたときにご本人を目の前にしたことがあります。当時74歳という年齢だったにもかかわらず、舞台の前で何気なく出された中〜上段への前蹴りがあまりにもピタリと決まりすぎていて、本当に感動したことを覚えています。ハードな練習を続けておいでであったことは間違いなく、彼こそ本物のアクションスター、武道家だと思いました。
このときの写真も「どうぞ、写真や動画、撮って構いませんよ」とおっしゃっていただいたおかげで撮れたものでした。当時、一眼レフを持っていけば良かった…と後悔したものです。
このとき、千葉さんはブルース・リーサイドから共演のオファーを受けたときの思い出話をされていました。その話し合いのため香港に向かうと、ブルース・リーの訃報に直面したとのことです。そのときの様子は、
https://weblog.icofit.net/2013/07/18/さすがはサニー千葉/
に書きました。
このコロナ禍さえなければ…。直前もかなりお元気だったようですので信じられません。
千葉真一先生、どうか安らかにお眠りください。
もう1人の訃報にも触れたいと思います。
https://www.instagram.com/p/CSn7gkXp9CR/?utm_source=ig_web_copy_link
ジェームズ・デミル氏。ブルース・リーの初期の弟子の方です。
記憶が定かではないのですが、ワシントン州の空軍基地所属の頃、ヘビー級でボクシングのチャンピオンだったとのこと。身長180cm、体重100kgの体格で、当時誰にも負ける要素はないと思っていたのに、デモンストレーション中のブルース・リーに声をかけられ挑戦したら、すべての攻撃を避けられた上に動けなくされ(詠春拳のトラッピングによるものだと思います)、あっという間にやられてしまったそうです。身長わずか171cm、体重60kgそこそこの「子供」のような体格のブルースに負けてしまったことは彼にとって衝撃だったようで、すぐさま弟子になったとのことです。
https://www.instagram.com/p/CSnuT0-oqGJ/?utm_source=ig_web_copy_link
この方によるとブルース・リーはとんでもなく怖ろしい存在だったそうで、袂を分かった後ブルースを怒らせる発言をしてしまった件で話し合いをした際には、ポケットにしのばせた拳銃の引き金に指をかけた状態だったそうです。
その後もブルース・リーに習った武術は続けていたようであり、こんな本を出版されています。
“Bruce Lee’s 1 and 3 Inch Power Punch“。この書籍は寸勁を研究していたときに参考にさせていただきました。ブルース・リーの前手で行うワン・インチ・パンチとは異なり、歩幅を狭く取って、後ろ手のほうで寸勁を行っています。デミルさんが習っていたのはブルース・リーが多少の工夫を加えた詠春拳のようなものだったと思われますが、そもそも詠春拳はあまり、前手と後ろ手の区別がハッキリしていません。
手首のスナップや打ち方はともかく、実用的な位置での発拳なので、かなり参考になりました。
ブルース・リーの関係者の方々もご高齢になり、次々とこの世を去っています。ブルース・リー自身がご存命なら80歳ですので、これはもう仕方がないことですが、ファンとしても寂しい限りです。
ジェームズ・デミルさん、安らかにお眠りください。