少し前にチンクチ(一寸力)についてまとめてみました。剛柔流空手道の師範がおっしゃっていたチンクチと、詠春拳の先生がおっしゃっていた「力」は共通点があるのではないか、と。
少なくとも、腕を体幹に強く結びつける「目的」については共通していると思います。しかし、「今、使える! 術技修得システム 宮城長順の沖縄空手に空手を学ぶ」の正拳突きの写真を見てかなり違和感があったのと、そこに書かれていた解説が、詠春拳とはかなり違っていることに気づきました。
肩甲骨を後ろにずらすようにして肩を下げ、…
「今、使える! 術技修得システム 宮城長順の沖縄空手に空手を学ぶ」玉野十四雄
という記述があるのですが、だとすると詠春拳とはかなり方法が違うのではないかな、と思えるのです。というか、私が学んだ剛柔流空手道ともかなりイメージが違いました。
詳細を知りたい方はこの「今、使える! 術技修得システム 宮城長順の沖縄空手に空手を学ぶ」で確認していただくこととして、この表紙の右下に掲載されている、宮城長順開祖(左)と許田重発先生(右)の写真を見ても、肩甲骨を後ろにずらす動作は見られず、むしろ開いているような…。
調べてみると、私が所属していた会館の館長先生と、玉野先生の師匠である渡口政吉先生とはつながりがあるようで、伝承も比嘉世幸範士系でほぼ同じと思われます。でも、前から見た三戦の腕の角度などはかなり異なります。どんなに古伝を守っているといっても、指導者の個性によって少しずつ変化して伝わっていくものなのでしょう。
私の場合は、高校の部活動での修行で、大会で勝つことがメインの練習だった結果の初段止まりですから、当時の師範や館長先生について詳しく語ることはできません。それでも、私が高校時代に習ったチンクチと、この書籍に紹介されているチンクチ、また詠春拳の「力(名前ついているのかな? 肘底力? 内力?)」とは共通点も多いけど、技術的な相違点が目立つな、という印象を持ちました。